MMT(現代貨幣理論)の財政出動でインフレになるか

新たな価値を持ったものが市場にでてきて欲しいものがあれば、購入するし、インフレにもなる。
2008年人々はスマホの機能を持つものが欲しかったから買いました。
2008年iPhone 3Gは、2万1000円でした。
その後、後継機はより高機能で付加価値が高くなり、より高額で発売されましたが、それでも人々は買い続けました。
人々がより多くの価値でやり取りするようになると経済成長と呼ばれる状態になります。

その為には、
(1)お金が市中に適切量供給されていること
(2)お金を使うことに将来不安がないこと
(3)分配が過度に片寄っていないこと
(4)付加価値を生み出す仕組みが社会に整っていること
が必要になります。

お金を与えるだけで、経済成長が自動的にスパイラル的に上昇するという考えには同意しません。
地方の中小企業が成長する事業を次々と低利の融資を受けられるだけで見つけられるならすでにしています。
それが、できないため、銀行の中小企業向けの貸出金は減り続け、金利は下がり続けています。
金利が下がるということは、お金を借りて金利をつけて返す人が減り続けているということです。

2017年の日本のGDPはおよそ546兆円。
働いている人6500万として、一人あたり約840万の金銭的付加価値を生み出している。
名目賃金は、430万程度なので労働者には半分程度が支給されている。
そこからさらに社会保険料、所得税、住民税が引かれています。
さらに消費税を支払い、私たちは、物やサービスを手にいれて生活しなければなりません。

思考実験を行いましょう。
GDPはおよそ546兆円のある国では均等給料法を作って、その法律では必ず均等に給与を分けるとします。足りない分は、政府が借金をして支払います。
その国の働いている人6500万に均等に430万円ずつ支払いをしました。
500万人外国から労働者がきて働きGDPが増え均等に430万円ずつ支払いました。
インフレは起きるでしょうか。
外国からの原材料費の高騰や、あるものが流行して人々が欲しがったとかそのような条件を抜きにして、適切な生産活動が行われていてる場合、
生活費のみで考えるとすると、市中のお金の総量は、500万人×430万円増えていますが、個人が使う金額は限られているので、インフレは起きないと思われます。

次の場合はどうでしょう。
500万人外国から労働者がきて会社にいましたが働きませんでした。けど法律があるため均等に430万円ずつ支払いました。
外国からの労働者は生活のために消費をします。そのお金は、企業に支払われ働く人の賃金に反映されるかもしれません。
しかし、均等給料法がある場合、受け取るお金は一定なので、インフレにはならないと思われます。
人々が受け取るお金が一定で企業間の競争が適切ならば、消費者離れを招く無理な値上げはしないと思われます。

次の場合はどうでしょう。
500万人外国から労働者がきて働きませんでした。かつ、生産性が上がって働いている人6500万人のうち1000万人は会社にいましたが働きませんでしたがGDPはおよそ546兆円を稼ぎました。
法律があるため6500万人+500万人に均等に430万円ずつ支払いました。個人が使う金額は限られているので、この場合もインフレにはならないと思われます。

次の場合はどうでしょう。
500万人外国から労働者がきて働きませんでした。かつ、機械化により効率が上がって働いている人6500万人のうち3000万人は会社にいましたが働きませんでしたがGDPはおよそ546兆円を稼ぎました。
法律があるため6500万+500万人に均等に430万円ずつ支払いました。個人が使う金額は限られているので、この場合もインフレにはならないと思われます。

次の場合はどうでしょう。
500万人外国から労働者がきて働きませんでした。かつ、機械化により効率が上がって働いている人6500万人のうち3000万人は会社にいましたが働きませんでしたがGDPはおよそ546兆円を稼ぎました。
法律があるため6500万+500万人に均等に430万円ずつ支払いました。個人が使う金額は限られているので、この場合もインフレにはならないと思われます。

これはどこまでいってもそうなのでしょうか。
人が増えると物を供給する側の工場を増やさないといけなかったり、原料費の高騰があったり、逆にスケールメリットで製造コストが安くなったりあると思いますが
適切に供給できるなら、個人が使う金額は限られているので、インフレは起こらないと思います。
お菓子のハイチューが100円として100万人の人に売れていたものが200万人に売るようになったからと言って値段を倍にする必要は無いということですね。

逆にインフレになる場合とはどうなのでしょう。
500万人外国から労働者がきて働きませんでした。かつ、機械化により効率が上がって働いている人6500万人のうち3000万人は会社にいましたが働きませんでしたがGDPはおよそ546兆円を稼ぎました。
多くの人がもっと欲しいといって均等に1000万円ずつ支払いました。1000万円-430万円の570万円の足りない分は、政府が借金をして支払いました。
個人が使う金額が増えたので、この時はインフレにならない方がおかしいと思います。
得た収入は増えましたが、生活に必要なものの値段がすべておよそ2.3倍(1000万円÷430万円)になり購買能力は前と変わらない状態になると思われます。
すべての企業が合理的な値上げをするだけです。今まで貯金をしていた人は、その貯金の価値が下がるので損と思うでしょう。

次の場合はどうでしょう。
機械化により効率が上がって働いている人6500万人のうち3500万人は働きませんでしたがGDPはおよそ546兆円を稼ぎました。
その国で超超ベビーブームが来て数年で1000万の子供が増えたとします。
法律があるため均等に430万円ずつ支払いました。かつ、政府が借金をして1000万人の3歳以下の子供にも一人430万円ずつ支払いました。
この場合、子供に支払われたお金は、その両親が使用できるとき、各家庭あたりの使う金額が増えるので子供向け商品などはインフレが起きると思われます。

思考実験を終わります。

外国から労働者がきて働かなかった場合は、インフレがおきないけれども、子供の場合はインフレは起きるということは、
つまり、購買可能な層ができる場合に、インフレは起きるし、企業が値上げした時に対象となる消費者に受容されうるということになります。

では、家庭単位に見て、平均以下の購買力であれば、平均所得まで引き上げるほどお金を渡して問題はないのでしょうか。
働かなくても平均所得まで所得が得られるなら多くの人は働かない方を選択するでしょう。
それなら、最低生活費の所得水準まで所得が得られる場合はどうでしょうか。

政府が借金でまかなった分のお金は、どこにいくのでしょうか。
低所得者向けの物、サービスを提供する企業が恩恵を受けることになるでしょう。
後期高齢者向けのサービスを提供する医療業界が恩恵を受けるように。
地方で地元企業とはかけ離れた給与を受ける地方公務員のように。
一部のところに溜まったお金は、格差を拡大し続ける。所得格差は、子供の教育格差、就職格差を生み、結婚できる人とできない人が分かれて希望のもてない人が増えていく。

インフレはすぐには起きない。どれくらいで起きるのだろうか。

一部の富める人が富み、その恵みが一般の人たちに広がるまでかなり長期(十年単位)の時間が必要で、その前に格差が広がってしまう方が早いだろうし、そもそもトリクルダウンは起きないかもしれない。
人は家を建てたり、子供の大学進学など大きな出費のために、また、老後のために、何十年という単位で貯蓄に励む。
そうなると時間が経つにつれ、低所得層の集団は固定化され規模が大きくなり、平均的な物価は低価格帯への圧力を受ける。
お金が市中に適切量供給されていることは、必要なため、行われることが適切ですが、
度を超えて財政支出を大規模にやればやるほど格差拡大、実質価値の伴わないお金によるインフレリスクの増大という作用を持っている。
日本では、老後のお金に関する将来不安が広く存在するため、貯蓄も合理的とされている。
MMTでいうところのインフレ2%で大規模財政支出をやめるというのは、格差の是正という意味ではそれ程良い選択とは言えない。

それはある人がお金持ちの人の所に行って貧しい人が街頭にいたから、彼に死なない程度の一切れのパンを恵んで下さいと1食分の食事代を渡すようなもの。
貧しい人が増えるたび、お金を渡す。繰り返すと自らも貧しくなる。
お金持ちは、貧しくない人々のところに行って店を開き収益を上げる。収益を上げられないところには店をださない。
お金持ちは、収益の機会を得やすくなる。人が集まりそうだというところの不動産を積極的に買うことができる。
お金持ちの子供でない家庭の子供は、成人になるとその高くなった不動産のために長い年月の労働時間を提供しないと家を買えない。
お金持ちは、自由に事業機会をみつけ、会社という「付加価値製造マシン」「集益マシン」を労働者を集めて作成、維持することができる。

大半の人がインフレを受容できるほどのお金をもらわない限り、お金の増加による生活必需品のインフレは起きない。
大規模財政支出で、無所得者に十分お金をばら撒いたところで一部の人たちの「集益マシン」の燃料または利益という構造は変わらないし、
長期的には構造を固定化する作用を考えれば助長しているともいえる。
446兆円にも及ぶ企業の内部留保を一部取り崩して一時的にばら撒いたところで、社会も大きく変わることはない。

付加価値を生み出す投資機会が十分見つけれらない社会で、企業という「集益マシン」は、社会においてどういう存在であるべきかを問い直す必要がある。

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